写真の沿革とフォトスタジオ

写真の黎明期

人々の様々な記録の代名詞といえば写真です。
私たちの歴史を彩ってきた写真は、どのようにして発展してきたのでしょうか?
人の記憶は永遠ではありません。
今は失われてしまった景色でも、写真として保存することで、永遠となるのです。
写真を発明したのは、フランス人のイエプスといわれる人物です。
イエプスは、石版画からヒントを得ました。
手ではなく光によって石に風景を残そうとしたのです。
8時間に及ぶ撮影によって、イエプスは自宅からの景色を石に写すことに成功しました。
イエプスの発明を礎として、1839年には、ダゲレオという人物が銀を用いた写真の撮影に成功します。
彼の名をとってダゲレオタイプといわれるこの写真は、現在でいうポラロイドカメラに近い方式のものです。
フィルム式のような焼き増しは不可能で、1枚限りしか撮れず、左右が反転するという欠点がありました。
撮影時間もまだまだ長く、現在のようにシャッターを押したらそれで終わりというわけにはいきません。
同時期、タルボットというイギリス人は、紙に像を写し取るカロタイプ方式の写真を発明しました。
金属を用いる今までのタイプに比べると鮮明さでは劣りますが、陰画と陽画の利用によって複製を可能になりました。
ダゲレオタイプとカロタイプの長所を併せ持った写真を発明したのが、アーチャーです。
彼が発明した写真はコロジオン法といわれています。

ガラス版を陰画、いわゆるネガとして使用するこの方式は、アマチュア写真家を生み出すほど広まりました。
ここから写真は、生活に欠かせないアイテムとして認知されていきます。
 

芸術性の高まり

コロジオン法以降の写真の発展について見ていきましょう。
マドックスは、コロジオン法よりも感度が高いゼラチン乾板を発明します。
ゼラチン乾板は大量生産が可能だったため、これまで以上に写真が生活に身近になりました。
今までは静止したものしか撮影できなかった写真。
ゼラチン乾板によって動きのある風景さえも捉えることが可能となったのです。
1880年代には、イーストマンによるコダックカメラが皮切りとなり、写真とカメラは不可分の関係となりました。
カメラの登場により、写真撮影の大衆化が押し進められます。
写真のあり方にも変化が生まれました。
絵画の模倣を辞め、写真にしか表現できないものを作品とするべき。
この言葉をキーワードとした写真のモダニズムが1910年代に湧き上がります。
モダニズムは、技巧を用いないストレートフォトグラフィと、技巧を用いて前衛的な作品を生み出そうとする2つの潮流を生み出しました。
後者の発展と合わせて、フォトグラムやフォトモンタージュなどの技法が誕生し、写真の新たな可能性が模索されたのです。
写真の使われ方の変化は、社会の変化と大きく関わっています。
初めは貴族が肖像を撮るだけだったのが、次第に大衆化し、宣伝や広告に用いられるようになりました。
表現方法の1つとして、芸術分野でも花を咲かせます。
1920年頃には、印刷技術の進化に合わせて、マスメディアに利用されるようになりました。

新聞などに使われる報道写真は、現在でも私たちの身近な写真の筆頭です。
2度の世界大戦は、多くの人に知ることの大切さを痛感させました。
真実を知りたいという願望とともに、報道写真の重要性が主張され始めたのです。
 

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